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ー 旅と手仕事 ー

コロナウィルスにまつわるモロッコ&ヨーロッパ渡航について

先週このブログをポストする予定でしたが、仕事がバタバタして追い付かず今日になってしまいました。海外渡航に関して、月末出張を予定していたので、このコロナウィルスに関わる一連の動きを注視していました。私の予定は羽田→イスタンブール→マラケシュ→パリ→羽田。

外務省からのお知らせ

「たびレジ」という日本の外務省がやっているメールサービスに私は登録しています。出張する国や地域の情報で渡航に際して何か問題があるとき、現地で何か問題があるときにも情報を即時日本語で受け取れるので非常に助かります。今回渡航予定だったトルコ、モロッコ、フランスの各大使館からメールが来ます。タイムリーな情報で非常に有益なので海外渡航する際はぜひ登録をおすすめしたいのです。

そして、今回のコロナウィルスに関して、こんな条件の人に入国制限が出ているとか、航空会社の運行状況とか、逆にこういう条件の人はまだ入国できるけど、入国に際してはこんな制限が掛かる可能性があります。など。本当に細かくタイムリーに情報を取得できます。

渡航中止の決定

訪問先となるトルコとモロッコは3月初旬の時点では感染者はまだ出ておらず、日本からのフライト(日本↔トルコ、日本↔フランス)も毎日定刻で飛んでいました。しかし、3/2にトルコ政府が韓国、イタリアとトルコを結ぶフライトを全便中止を発表したのを皮切りに、毎日のように「たびレジ」からメールが来るようになり、まずモロッコで感染者発表された翌日、フランスのマクロン大統領の演説、そしてモロッコ↔フランス間のフライト中止が発表されました。この時点で最終日程のフランスを取りやめて、イスタンブール→マラケシュ→東京の日程変更も考えたのですが、「たびレジ」で毎日のように感染者発表と渡航中止が流れてきて、これはモロッコも近々国境封鎖になるだろうと予想し、全部の予定キャンセルを決めました。

中止を決めた翌日、ターキッシュエアラインから私が予約した便(パリ→イスタンブール)が欠航になった旨のメールが来たため、全てのフライトのキャンセル希望を伝えました。この1か月状況確認も含め、何度も航空会社、旅行代理店に電話するも全く繋がらず、24時間対応とのことで深夜3時に電話なども試みましたが全くダメでした。もしこれを渡航先の海外でやっていたらと考えると、かなりのストレスだったろうと思います。日本でもなかなかストレスです。電話が全くダメなのでキャンセル希望の旨をメールで送り返答待ちの状況です。

もう一つ片道予約したエーゲ航空のチケット(イスタンブール→マラケシュ)。こちらも欠航の連絡が昨日メールで来たのですが、返金キャンセルではなく、行き先変更または日程変更を提案されました。このコロナの状況でそれらは全く現実的ではないのですが、全ての変更、キャンセルについてはコールセンターのみで受付とのことで、全く繋がらない国際電話をかけ続けることになりそうです。エーゲ航空はギリシャの航空会社なのですが、欠航なのに返金キャンセルに応じないということは財政的にかなり厳しいのでは、と予想しています。チケット代金が返金になると良いのですが・・・

モロッコ現地の状況

今回モロッコの感染者はそこまで多くないのですが、医療体制に不安が残る地域なので私の渡航予定の3か国の中で一番最初に航空機の運航停止と国境封鎖が決まりました。モロッコ政府の発表の翌0時に施行されたので、日本に比べ判断と決行が早いです。イタリア、フランス、スペイン、アメリカなど主要国のニュースは日本でもメディアで流れますが、モロッコの情報は、日本のニュースでは全く伝えられていませんので、外務省のホームページからでしか知りえない情報でしたが旅レジのおかげで即日その状況を知り把握することが出来ました。

現地大使館からのメールでは、モロッコからのフライトがキャンセルになったことで出国できなくなった日本人は、かなりの人数いるようで、実費で延泊、大使館へ滞在先の連絡、現金がなくなった場合はクレジットカード会社に連絡して送金(金利高めの借金)してもらうか、日本から家族などに海外送金してもらうよう指示されていました。

モロッコの情報は日本では知ることがなく、コロナの感染も広がっていないエリアだったので、予約した飛行機もキャンセルにならなかったしという感じで渡航した人が多いと思いますが、航空機の運行再開のめども立たない中、モロッコ全土で外出禁止も発表され、ホテルに実費で延泊、帰りのチケット手配をしたり、旅行代理店と連絡を取ったりと、現地に残されてしまった方のご苦労を想像します。

日本↔モロッコのフライトはヨーロッパ経由か中東経由になるケースが多いと思いますが、実際には日本↔ヨーロッパの直行便、日本↔中東の直行便も止まっていないので、モロッコから脱出できれば帰国の光もみえそうです。

実際に本日18日時点でモロッコ↔ヨーロッパ間、モロッコ↔アフリカ間、モロッコ↔中東間の航空機は一部運行しており、完全に全フライトが止まったわけではないようです。※18日の発表で3月19日23時でモロッコからの国際線の運行は無期限で中止と発表されました。
まだ国境封鎖されたわけではないので、これらの少ない便に乗ってモロッコを出られれば帰国の可能性があります。が、これらの便に乗りたい人が殺到していてしかもエールフランスなどは自国民の搭乗を優先しているそうなので、予約をしていない日本人がこの希少なフライトに乗ることは至難の業です。日本政府は武漢に出したようなチャーター便をイタリアに出さないようなので、他の国に取り残されている日本人がチャーター機で帰国というのも期待薄でしょう。

有事の渡航のリスク

「たびレジ」で情報収集しながらも、2月末頃の時点では3月末のトルコ・モロッコ・フランス出張へ決行するつもりでいました。なぜなら仕事上どうしても3月に出張する必要があり、年の中でも非常に大切な出張だったからです。日本での患者数は急速な拡大はしていなかったので、日本人の入国制限が出ない限りヨーロッパは大丈夫だろうとふんでいました。しかしながら私が想像していた以上に早くヨーロッパ(イタリア)で急速に拡大してしまいました。

私が3月頭の時点で中止を決定したのは、たとえフライトがキャンセルにならず渡航自体が出来たとしても、現地で混乱している状況下では、いつ状況が変わってフライト変更、キャンセル、国境封鎖などが起きてもおかしくないですし、日本は出国できたとしても現地の空港で入国拒否、搭乗拒否が発生する可能性もあります。そうなったときのことを想像すると、渡航先でホテル滞在延長、ホテルから航空会社へ電話、旅行代理店への電話、ホテルからの国際電話はびっくりするほどの金額です。しかも有事に航空会社も代理店も電話がつながらず、待ち受けの時間だけでも電話代が大変なことに。しかも英語での電話交渉は考えただけでストレスです。現地から運よくフライトが取れたとしても当然高額でしょうし、ビジネスだったら空いてますと言われたら更に・・・

お金だけで解決すればまだ良いですが、万一現地で発症してしまった場合、モロッコの医療機関で症状を詳しく伝えられるか、現地の患者優先で外国人が診察、入院させてもらえるか、更に隔離などされたときに色々と不安なことしかないです。しかも現地が混乱している状況では治安が悪化しているでしょうし、混乱に乗じた犯罪に巻き込まれる可能性もあります。

私も今回はじめて知ったのですが、こういった有事の際、帰国できなくなった邦人は大使館などで保護されるか、大使館が用意した場所で出国できるまで待機、そして数日で日本政府がチャーター機を飛ばして帰国だと思っていたのですが、実費で自分で探したホテルに国境封鎖が解かれるまで延泊するという事実をはじめて知りました。イタリアでは帰れなくなった日本人がホテルを予約しようとしたところ宿泊拒否にあったのだとか・・・アジア人への恨みですかね。

旅費のキャンセル料や仕事の損失≦お金、時間、健康、不安な気持ち、外国語での交渉ストレス

どう勘定しても有事の渡航はリスクが大きいなと思いました。私自身も今回のことでいろいろなことを学びました。

今後の見通し

個人的には、一日も早く渡航して仕事をしたいですが、これから北半球が春夏を迎えるということは、南半球が秋冬に入ります。ヨーロッパの感染拡大からアフリカ、南半球への拡大が予想されます。年内はまだ渡航は難しいかなと想像しています。旅行代理店の方、航空会社の方は、先が見通せない状況で新規の予約は控えて欲しいとのこと。3か月後、半年後は大丈夫だろうというのは現状誰にも分からず、先走って予約をすることで、航空会社、代理店への問い合わせや変更、取り消しなどの作業が発生してしまうので、見通しが立つまで控えるのがベストかなと思っています。現時点で全く感染が広がっていない地域でも警戒が広まっているので、実際に南大西洋の国に渡航しようとした方が入国拒否にあったそうです。今は安易に動かない方が得策かと思います。

海外へ頻繁に行く身としては非常にヤキモキする期間ですが、一日も早く自体が収束し日常が取り戻せるよう祈るばかりです。